サラリーマン倫太郎のおすそ分け

仕事で適度に活きる術と徒然なるボヤキ

目的と手段

お久しぶりです。

 

ちょっとサボると「ちょっと」が「ずっと」になる事例そのものでした。

 

さて、本日のお題について、経験談をお話します。

4月は年度初めということで当該年度の目標設定を行い、上司や部下と面談を行う機会が多くなります。面談では、

・これまでの振り返り

・現状の問題

・取り組むべき課題

・課題をやり抜くにあたっての支障になり得る要素

等、色々話を聞く場面となるわけですが、

 

「目標=手段」

 

となっていることがあります。

 

 目標を達成するための手段を理解していないと何のためにその手段を講じようとしているのか、途中でわからなくなることもあります。

 また、その手段が何らかの事情により、出来なくこともあります。

 

 つまり、環境が変わり、その手段を講じることができなくなったら、目標未達となり、成果無しですよね。

 このようなケースでは、プロセスを評価する、という会社もありますが、はっきり言って、上司はプロセスを確認することはできず、限りなく部下の自己申告ですので、上司の立場からすると評価のしようがありません。

 

 目標達成のために、手段Aがダメならば手段Bを、もしくは、手段Cを使うという構図になっていれば、目標未達になる確率は低く、手段の引き出しを準備している分、プロセスの評価も得やすくなります。

 

 会社とは目標を達成すればよい団体であることを考えると

 

 それは手段なのか?目標なのか?

 

自問自答でチェックして、どのような目的をもって、その目標を設定しているのか?

これに尽きます。

 

 

見積りの妥当性(2)

 前回の「見積り」の続きです。

 価格妥当性の判断は、やはり、難しいですよね。

 

 先ず、労務費について、お話します。

 業務委託契約の場合、準委任型では、労務費のみの見積が殆どですが、成果物をもって費用を支払う請負契約では、「一式」という括りで労務費を見抜くことが難しいことがあります。

 そのような場合であっても、内訳を確認していくことで、どの程度の人件費が見積もられているのか読み取れますので、ここでは、その読み取った後の「労務費」について触れます。

 

(1)労務

 ずばり、「人材単価」×「所要時間」です。

 でも、これが難しいです。

 

 「人材単価」はスキルレベルによって変わります。

 「所要時間」もスキルレベルによって変わります。

 

 ということは、発注者は、どの程度のスキルレベルであれば、どのくらいの時間で、その仕事を全うできると想定しておく必要があります。そのうえで、請負業者が、どの程度のスキルセットを保有した人材を割り当てているのか、推察する必要があります。

 

 「高スキル×短時間」と「低スキル×長時間」は、一見、同じように見えますが、請負期間が長くなると請負業者の社内管理日数が増えますので、プロジェクト責任者の所要時間が増えます。つまり、短時間で終わらせる方が安価になりやすいです。

 

(2)人材単価

 妥当性の見極めは非常に難しいです。

 なぜならば、発注者側で指定することはできず、通常、請負業者の中で、社内基準が設定されているからです。

 

 とは言っても、発注者の仕事を全うするためには、見極めなければなりませんので、ここでは、私の基準を少しご紹介します。

 

① 自社の社員が担う仕事のケースと下請けに出すケースで人材単価を変える請負業者もいれば、変えずに同一単価で提示することもありますので、先ず、自社の社員で担う業務と下請けに出す業務を問い合わせます。そこで、下請けに出す業務の人材単価が同じであれば、業務転売で利益を出す会社と認定し、適正な価格の提示を求めます。

 

② 自社で採用している派遣社員の単価を把握し、予め、スキルレベル別に整理しておきます。この仕事であれば、どのレベルの派遣社員で担うことができるか、決めておきます。そして、見積りと比較し、極端な単価差異があれば、請負業者にスキルセットを確認します。

 

③ 転職サイトや口コミサイトで、請負業者の給与水準を把握しておきます。もちろん、会社は、社員に渡す給与の他に、様々な費用をかけていますので、2倍程度の額をイメージしておきます。そして、見積りと比較して判断します。

 

④ 毎年契約している請負業者の場合、物価上昇率を加味していると主張することもありますので、物価上昇率は把握しておきましょう。

 

外資系企業が関わる取引の場合、為替変動を理由に価格アップをした見積りを提示することがあります。請負業者と外資系企業の取引通貨、外資系企業の取引対象業務、為替基準日等を確認し、請負業者に騙されないようにします。

 

⑥ ④と⑤を混在して見積り説明を行う請負業者もいます。その場合、④と⑤を区分けして説明を受けるようにしてください。

 

 ①~⑥までの対応を見積り受け取って直ぐに行い、相手方に問い合わせを行うと相手からは一目を置かれる立場になるでしょう。そうなれば、この人には誤魔化しがきかないという勲章が相手方の中で与えられ、以後の見積り分析は楽になります。

 

 

【本日の振り返り】

・「高スキル×短時間」を優先したい。

・「為替変動」と「物価上昇率」の言葉に騙されない。

 

 

 

 

見積りの妥当性(1)

下請け会社に強制的にコストダウンを求め、下請け法違反となって検挙される記事が散見されます。行き過ぎた指値をしていると感じていますが、そもそも、皆さんは、発注前に取得した見積書をどのようにして妥当と判断していますか?

 

 本日のテーマは、「見積り」です。

 

 一言で言うと、経験が物を言う、という世界かもしれませんが、環境変化が激しい昨今で、「経験」と言ってもどうなんでしょうか?

 

 私の業務スタイルも交えながら、出来ていること、出来ていないことも含めて、触れていきたいと思います。

 

(1)複数の候補会社から見積書を取得し、比較する。

  相見積もりと言われる世界ですね。

  メリット:金額の大小関係は、わかりやすい

  注意事項:apple to appleで比較できる条件になっていることが大前提

 

 ということで、要求仕様書、要件書といったように発注主が請負業者にお願いする書類を念入りに準備し、誤解が生じないようにする手間がかかることがデメリットかもしれません。

 結構、これ大変なんですよね。

 発注主が要件定義が出来ていない部分は、費用を算出できません。要件定義出来ている条件に対しては安価に提示し、要件定義できていない部分は、別途発注が必要となる仕掛けを請負業者が入れるケースがあります。

 具体的には、定期的なメンテナンス対応が必要なシステム製品は、そのシステム製品を導入することの要件は記載をするものの、導入後の諸費用について触れていないと上記の罠に引っ掛かります。

 定期整備、ソフトウェアのメンテナンスリリース、設備更改、問い合わせサポート等が該当します。

 最初は安価と感じてもらい、メンテナンスで利益を上げるケースですね。

 また、こういった導入後の対応(ここでは、便宜的に保守対応と言います)については、半年とか1年といった単位で契約を締結することが多いですが、ここにも罠が潜んでいます。

 それは、値上げです。

 保守対応は、システム製品を維持していくためには不可欠です。

 値上げに応じないと保守対応しません、というある種の脅迫に近い話が出てきて、やむなく、高額な契約を締結しなければならないことがあります。

 このような事態を回避するための策は、また、別の機会で触れることにしましょう。

 

(2)特定の1社から見積書を受け取り、契約を行う。

 所謂、随意契約ですね。

 必要なことは(1)で記載したことと同じです。

 要求仕様書や要件書を明確にしておかないと高額に陥りやすいです。

 特定の1社が決まっていますので、要求仕様書や要件書の案を請負業者に作成してもらい、その案を参照して、発注主の要件書として利用することも可能です。

 請負業者が作成しますので、出来ることと出来ないことをわきまえながら記載されますので、そこまで無理難題な内容にはなりません。一方、これが曖昧な内容となっている場合、例えば、成果物が不明確な場合、請負業者にはその案件を担う資質がない、もしくは、請負業者は下請け会社に丸投げしているかもしれませんので、要注意です。

 

 ちょっと長くなりましたので、本日は、一旦、ここまでしますね。

 

【本日の振り返り】

・見積りは要求仕様書を準備することから。

・隠れた罠に注意しよう。

 

 

 

 

スキルアップとキャリアアップ

 最近、転職サイトのコマーシャルが多くなっている気がします。

 コマーシャルの売り込みトークをそのまま信じている方はいないと思いますが、ひょっとしたら、自分もチャンスがあるかもと思いたくなりますよね。

 

 立場柄、経験者採用に関わることが多く、書類審査や面接審査に携わることがあります。その中で、ちょっとモヤモヤするのが、「キャリアアップ」「スキルアップ」です。

 

 転職を考えている人は、今に不満があって、もしくは、より良い条件で働くために、「キャリアアップ」を目的とすることは当然のことです。

 一方、審査する側からすると「えっ?」と思うケースがあります。

 

 例えば、管理職(マネージメント)の経験がない人が、

「キャリアアップをするために転職を考えています。これまでのチームリーダーの経験を活かして、マネージメントの仕事に携わりたいです。」

と主張した場合、どのように感じますか?

 

 私なら、マネージメントは未経験なので、先ずは仕事ぶりを見ないと判断できないということで、将来のマネージメント候補として判断します。もちろん、今すぐマネージメントを希望している人からすると希望にそぐわないとしてご縁がなかったという話になります。

 

 どこですれ違いが起きているのでしょうか?

 過去の実績と未経験の領域が混在していますよね。

 

・現職で、何故、マネージメントに関われないのか?

・何故、転職するとマネージメント業務を遂行できると考えているのか?

 

 この自己分析が重要だと思います。

 

 新たに立ち上げられた会社や組織でマネージメントポジションを募集しているケースは別です。もし、マネージメントポジションを狙うのであれば、転職エージェントにはっきり伝えなければなりません。その前提で、転職エージェントに探してもらう必要があるからです。転職エージェントの中には二枚舌の方もいますので、ご注意を。

 

 面接でどのような「キャリアアップ」をお考えになっているのか尋ねると、行きつく先は、「給与アップ」になることが多いです。

 

【本日の振り返り】

・コマーシャルのようなシーンで、スカウトされることは少ない。

・未経験領域の希望ではなく、過去実績の再現性をアピール。

 

 

 

 

 

 

 

 

はじまり

 はじめまして。

 サラリーマンの倫太郎です。

 

 サラリーマン生活を30年以上しており、その間、結婚、子育て、持ち家購入、管理職任用、両親との別れ、転職など、色々なイベントを経験してきました。

 まだ、現役ですが、これまでのサラリーマン生活で経験してきたことや気づいたことを皆様に発信し、参考になったり、お役に立てたりすると幸いです。

 

 担当者でがむしゃらに働いていた時に気づかず、今だからこと気づくことも多くありました。あの時、こうしておけばという後悔、それも勉強の一つということもできますが、後悔なく別の選択肢に気づくことができれば、また、違う人生になったのかもしれません。

 

 今までの人生を否定するのではなく、サラリーマンリタイア後も幸せな生活ができるように、これまでを振り返りたいと思います。

 

 本日のテーマは、最初ということで『就職』です。

 

 私は、昔で言う一部上場企業で働いていました。それも学歴フィルタバリバリの会社です。ちなみに、私は有名どころの大学の出身者ではないです。そのような私が、そのような会社に入ることができたのは、ずばり「コネ」です。大学の先生の個人的な。

 

 理系でしたので、最初の分かれ道は、どの研究室に属するか?でした。人気教授を選び抽選に運を任せるか、面倒くさい研究やホームワークが多そうな教授を選び抽選を確実に回避するか?迷いました。

 

 結果、後者を選びました。

 『コネ』の存在があることは知りませんでしたが、前者の教授は企業経験が全くなく学術畑一筋、後者の教授は企業出身者で、大学の中ではすごく新鮮味を感じていたことを覚えています。予想どおりホームワークは多く、研究室で過ごす時間がめちゃくちゃ長かった思い出もありますね。

 

 時間軸を最近10年に進めます。

 サラリーマンとして管理職にもなりましたので、新卒採用の面接官を何度も担いました。面接では、人事部が影の力を発揮します。強制ではないと言いつつも実質的には強制となる人事要望を紹介しますね。

 私が入社した時の最終面接は、役員が面接官でしたが、この5、6年は部長2人と人事担当者の組み合わせで行っていました。

 部長2人が「合格」と判断しても人事担当者が待ったをかけることがあります。

 それは、応募者が有名大学ではないケースです。

 採用枠が埋まっていない序盤戦では、有名大学からの応募者で合格ラインに達する人材が表れた時に備え、応募者への「合格」通知を遅らせるというものです。人事戦略と言えばそれまでですが、コマーシャル等でいくら良いことを言っても、このような人事戦略は如何なものか?と思いますよね。

 他方、理系女性の面接では、難しいかな?という会話になった時、女性社員を増やすために余程問題視しない限り、「合格」にしてくださいとの人事担当者談もありました。なぜ、女性社員が少ないのか、人事として分析することが先だと考えていた時の話ですので、なんだかな~という気持ちでした。

 

 パーパス、ビジョン、ミッションなど、会社が世間に社内に掲げている素晴らしい文言とはかけ離れた世界のような気がしますが、人事担当者は素晴らしい文言を体現化した人事施策と主張しているのでしょう。人事担当者が決めているのではなく、人事担当役員や経営層が決めているので、人事担当者は言われたとおりに動いているだけですけど。

 

 何をもって「公正」「公平」というのか、人それぞれの立場でもあるなあと感じた時でした。

 

【本日の振り返り】

・将来を道を決める重要な選択道に立っていることに、その時点では気づかない。

・会社は何だかんだ言って学歴を好む。